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help RSS 健康食品、減肥茶による肝障害の多発

<<   作成日時 : 2005/06/02 15:20   >>

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最近また同じような報道がなされていますが、以下の記事はもう3年前の出来事です。人間て学習をしないものだなとつくづく感じます。

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インターネットやマスコミなどを通じて一般の人にも薬物の副作用情報などが知れわたり医薬品の有害事象に過剰に敏感な人が多くなっています。その反面、健康食品やサプリメントでは副作用がないと信じられ、安易に使用されています。

私たちは平成14年春に減肥茶と呼ばれる健康食品による重篤な肝障害を2週間の短期間に2例続けて経験し、それをきっかけに日本全国が大騒ぎになりました。

第1例は1ヶ月間中国製ダイエット健康食品(茶素減肥)を内服した女性でした。服用後、食欲不振、全身の倦怠感、全身の浮腫などが現れ、2ヶ月後には黄疸を自覚し始めました。近所の医院を受診したところ、肝機能障害のため入院となりました。通常の治療では改善しないため、3月30日に慶應病院に転院しました。重篤な急性の肝障害であり、集中治療室にて劇症肝炎として内科的治療をしましたが、回復傾向がみられませんでした。そのため、最終的に外科に依頼し、生体肝移植により救命できたのです。

第2例は、やはり1ヶ月間中国製ダイエット健康食品(御芝堂減肥胶嚢)を内服していました。下痢と体重減少が出現し、倦怠感・嘔気が加わったため内服を中止しました。服薬中止後も自覚症状が軽くならないため、4月初めに近くの医院を受診しました。黄疸のある肝機能障害のため入院となりました。入院後もさらに肝機能障害は悪化し、4月12日慶應病院に転院しました。内科的治療で回復はみられず、生体肝移植を検討しましたが、60歳以上の高齢でありドナー(臓器提供者)の候補者もいないため、移植は断念しました。入院後1ヶ月余りの経過で、肝不全進行のため死亡されました。

二例ともに肝障害の原因として、ウイルス・薬剤などが該当するものがなく、原因不明の急性肝不全でした。過去に健康食品による重篤な肝障害例は報告されておらず、減肥茶が肝障害の原因であるとの確信はもてませんでしたが、関係しているかも知れないと考えていました。

その後、私が嘱託で勤める企業の診療所で所長さんとその話をすると、最近検診で偶然見つかった肝障害の人が、減肥茶を飲んでいたというのです。そして、それを止めたらよくなったのです。減肥茶を取り寄せて確かめてみると、一例目と同じ茶素減肥でした。

いよいよ減肥茶が怪しいと思い、その後、大学の関連施設などのネットワークで減肥茶と肝障害を問い合わせると、同様の症例がいくつも集まりました。そこで、減肥茶による肝障害であろうと判断しました。
それを肝不全研究会で発表すると、読売新聞の記者が注目し、7月12日に新聞の第一面に報道されました。その後、大きな反響があり、全国から重篤な例を含めて肝障害の例が次々と報告されました。新聞報道後約2ヵ月の9月末の段階で800例を超える健康被害報告、133例の入院例が集積されました。

健康食品による有害反応は原因の特定がきわめて難しいものです。副作用の情報を集積するシステムを構築すること、薬物だけでなく食品なども肝障害の候補者としてとらえる慎重さなどが求められます。また、生活習慣病の薬剤や食品では、発症率はいくら低くても、対象となる人数が極めて大きいために、被害も膨れ上がります。従って、副作用に関して今まで以上の慎重な情報の収集が望まれます。一般の人も、健康食品では副作用がないと過信せず、慎重に選ぶことが必要です。

 私は、遺伝子組み換えの農作物にも慎重な取り扱いが必要であると考えています。なぜなら、農作物はそれを食べる対象が何十億人と極めて大きくなる可能性があります。しかも、長期間にわたり毎日摂ることになるのです。使用する対象が病人に限られている薬ですら、厳重な治験が必要なのですから、農作物などの食品のほうが遺伝子操作などをした時には、薬よりももっと慎重な態度で扱うべきです。

遺伝子組み換えの農作物をもし認めるのであれば、動物で長期間の投与試験を先ず行い、次に少数の人を対象とし何年かにわたって試験をし、その後に対象を広げてさらに確かめるなど、薬と同様、あるいはそれ以上に慎重な試験が必要だと思います。

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コメント(15件)

内 容 ニックネーム/日時
専門性の色が濃くなるほど、このような誤った知識に基づく危険な行為がありますね。
私が専門とするインターネットセキュリティにも、数多く似たような話があります。

人は、都合よく解釈してしまう生き物なんだなぁと思うときがあります。

どうやって、専門家でもない方々に広く伝えるか?
私も、わかっていません(少なくとも、TVなどのマスコミにて、誤った知識や見解を伝えることだけでも止めたいと思う今日この頃です)。
GALANT's Cafe
2005/06/02 16:14
そうなると、痩せるか死ぬか・・・ってことですね。
私のように『洋服を大きくすりゃいいのよ』って開き直っているならともかく、痩せてきれいになりたいと思うのが、女心ってものですから・・・なかなかこういう被害がなくならないのでしょうね。
それにしても遺伝子組み換えといい、ダイエット食品といい、口に入るものを簡単に信用してはいけませんね。
あとCoQ10も摂りすぎちゃいけないって、雑誌に書いてありましたが、いいことの裏には悪いことも潜んでいるって自覚して生きていくことが必要かな〜って思いました。
wan
2005/06/02 18:01
えーあの減肥茶の肝障害ってしんぞう先生の発見だったんですかー それはなんと! たくさんのひとのいのちが救われましたね。健康食品に警告を与えたという意味でもせんせいの功績は偉大です
健康食品ブームですがほんとうは一番大事なことはバランスの良いきちんとした食事をとることなのにどうしてもお手軽さにながされちゃうのですね
にのちか
2005/06/02 18:10
Galantさん。 これはインターネットによる悪い情報配信の典型例です。多くの方がインターネットでしり、購入しています。素人が近づくと危険がいっぱいなのがインターネットに流されている情報という気がします。なにしろ発信者の好きなように書けるわけですから。
眞三
2005/06/02 19:30
Wanさん。 口から入るものが二つが人間の外界との物質的なコミュニケーションの基本です。すなわち、呼吸と食べ物。したがって、生きていくためには食べ物は大切にしなくてはいけませんね。

にのちかさん。あの事件は慶應義塾大学の消化器内科教室からの報告がきっかけとなったものでした。もちろん、私は深くかかわっていましたが、個人の発見というレベルのものではありません。私にとって減肥茶が犯人だと確信したのは、3例目の検診での話を聞いたときでしたが。
眞三
2005/06/02 19:34
この手の話って、インターネットに限らず、本や雑誌、健康番組でも、よく出てきませんか?
昔から、科学の名を借りてもっともらしいとんでもないことを言う「トンデモ科学」というか、「トンデモ健康法」って、ありません?

活字になった瞬間、信憑性が強くなるから、インターネットの情報は、余計そう感じる場合があるのでしょうね。
GALANT's Cafe
2005/06/03 00:06
このような、健康食品の類を「盲信」する風潮の
背景には、インターネットだけではなく、
健康ブームの火付け役となった数々の健康番組や
マスコミの影響も決して無視できないと思います。
私を診察した医師の中にも、民間療法の効果を
信じて疑わず、医師の言うことをちっとも聞かない
「み○○んた症候群(笑)」と称する患者が、
最近は本当に多くて困っている、という人が
沢山いらっしゃいました。

私もうつ病や糖尿病になってからというもの、
たくさんの人からいろいろな健康食品やサプリメン
トを勧められ、ウンザリしたこともありました。

このような風潮に対しては、やはり医師が毅然と
した態度でマスコミに抗議するくらいの姿勢が
必要なのではないかと個人的には思うのですが、
しんぞう先生はどのようにお考えでしょうか?
GORO
2005/06/03 04:57
Galant さん。インターネット情報はその情報の真贋の吟味が大切ですし、その情報が何を目的に出されているのかを知らなければならないと思います。

Goroさん。み 症候群には顔をしかめている医師が多いことと思います。しかし、その一方でそのような要求が視聴者側にもあるという点を忘れてはなりません。日本の政治家、マスコミが悪いのもそれを望みあるいは許している国民がいるということ意識すべきと思います。
眞三
2005/06/03 18:37
しんぞう先生、
なるほどその通りかもしれません。
需要がないところに供給は成立しませんものね。

なぜ国民はそのような情報を求めているのかを
よく考えてみると、病院に行くのは恐いし億劫
だけど、頭と金を使わず手軽にできる健康法なら
ちょっと試してみるか、というような「逃げ」の
心理が隠されているような気がします。
また、考え過ぎかもしれませんが、医療や行政に
対する不信感も背景にあるような気がします。

マスコミには、そのような意識を改めるべく、
実のある情報提供を期待したいところですね。
そのためには医療従事者の協力もやはり不可欠
ではないかと思います....。
GORO
2005/06/03 19:54
GOROさん。 「患者の生き方」のアマゾンへの推薦文をありがとうございました。過分なご紹介をいただいたことを感謝いたします。
それにしても、本というのは中々売れないものです。
眞三
2005/06/05 07:09
マーケティング論からすれば、

「ニーズを的確に捉え、ピンポイントで売る。」
この本を欲しがる人のいそうなところを狙って
購入しやすい方法で売れ、ということです。

PRは他商品との「差別化」が肝要であり、
本書がどのような読者を対象にしているか、
他の本とはどこが違うのかをアピールすること、
が必要ではないでしょうか。
(なんか偉そうなこと言ってますが....)

本またはチラシを病院の待合室や売店に置いて
貰う、なんてことは可能ですかね?^^;

あのような本を必要としている人は
沢山いると思います。問題はどうやってその人
たちにこの本の存在を知らせるかですよね。
GORO
2005/06/05 08:06
 おはようございます。
 国公立でないからかもしれませんが、私の掛かっている総合病院での待合室に各科の広告のようなパンフレットとかコピーしたものが置いてありました。
 夫の睡眠時無呼吸障害の受診のきっかけはこの広告でした。
 またそこの別の科では、がんのWeb相談室のDr.平岩の記事がコピーされてて、自由に持ち帰れました。たぶんその科の医師が自主的にそうされてるのだろうなっと感じました。そのような形で患者さんに呼び掛けられている医師もいらっしゃるんだっと感心しました。
昼行灯
2005/06/05 10:30
この記事を今日始めて見ました。
あの日の事が思い出されます・・・・。
椿
2005/12/15 23:53
椿さん。 ご冥福をお祈りします。
しんぞう
2005/12/16 21:46
有難うございます。
まだまだ・・・  色々・・・飲んで・・・・・
葛藤です。
つばめ
2005/12/18 01:16

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