ブログ加藤眞三 新しい時代の医療のための患者学

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zoom RSS 対話型市民公開講座「患者学」の開講

<<   作成日時 : 2016/01/05 14:06   >>

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講座の開講に至った背景

 2014年秋、慶應義塾大学の信濃町キャンパスにおいて、患者、市民、医療者、学生を対象として市民公開講座「患者学」を開講した。そのスローガンは「患者に学ぶ、患者も学ぶ」である。医療者や医療系学生は患者に学び、患者や市民も自分たちの受ける医療をよくするためには学んでもらうことが望ましいと考えたからである。


医療の現状

 治験薬の論文不正や不適切な手術で死亡した患者などの報道が後を絶たない。単行本、週刊誌やインターネット上に医療不信をあおるような記事があふれている。うかうかしていると、患者はモルモット(実験対象)か、カモ(儲けの手段)にされるのではないかと疑心暗鬼になっている。

 医療の現場で、患者と医療者の関係性が悪い現状は、お互いにとって不幸であることは言うまでもない。患者の病気や健康に悪い影響を与える可能生もあるし、医療者側も仕事をやりにくくなる。

 本来、医療者と患者は、病気という対象に向かって共に闘う協働の関係性にあるはずだ。医療というシステムは、社会の基盤となる共有財産であり、医療は患者のために存在し、医療者は医療の提供により社会から報酬を受けている存在である。

 しかし、現実には、医師は医療が科学的であることを重視し、患者を普遍的に診断される病名に当てはめて治療しようとするため、個々の患者の事情にはあまり注意が向かない。

 また、勤務医は厳しい勤務状況で忙し過ぎて気持ちに余裕を持てない。そのため病院を退職する人が増えている。研修医の教育制度の改革を機に医師不足が一層深刻となり、地方の中核にある公立病院が閉院に追い込まれる事件が続発している。ある地域ではA病院の閉鎖がB病院の閉鎖を招き、次々に病院が閉鎖するというドミノ現象までおこしており、「医療崩壊」の時代を迎えている。


講座「患者学」の目標

 公開講座「患者学」はこのような状況の中で、患者と医療者、市民と学生がお互いに現場の医療の問題について本音で対話をし、そのことによって対立の関係を協働の関係性にしようとする試みである。円滑に対話をするためには、お互いに水平の関係になることが望まれる。

 そうはいっても、医療者と患者が水平の関係になるなんて難しいと考えてしまう。しかし、患者も自分の病気をなおす方法については、他の誰よりも最もよく知っている専門家の1人であり、その専門家として、医療チームにはいることが望まれるのだ。

 患者のもつ価値観や大切にしているもの、生き方や生きがいについて、最も詳しく知っているのは患者自身であるのだから。

 自分の病気を治そうと主体的にとりくむ患者を私は「主治患者」と呼ぶことを提唱する。主治患者として自分の主体性を発揮すれば、よりよい療養生活を送ることが可能となる。「主治患者」が社会の中に多くなれば、医療者の側も水平で対話をすることが可能となる。

 新しい医療を創るためには、医療者と患者を対立の関係から協働の関係へ、上下の関係から水平の関係へ導く道を開拓することが必要だ。そんなことを目指して、公開講座「患者学」は開講した。

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