総合診療医を目指した後輩医師の悩み 4

9/21
11月頃に発売される予定の原稿(患者の生き方)を添付します。

私は、A先生はおそらく全人的医療にあこがれているのだと思いますが、全人的医療は何の臓器でもこなせる人ではありません。それでは全人体的医療です。身体、精神、社会、スピリチュアルの4次元で患者をケアできるのが、本当の全人的医療です。そして、それはそれぞれの臓器の専門医にも求められているのだと思います。

そのような中で、循環器はもっとも体を機械としてみることのできる内科の分野です。多くの循環器内科医は、心筋梗塞と不整脈にしか興味をもたず、A先生の診たいという心不全でさえ興味の範囲外となります。

全人的医療についてもう一度再考してみてください。

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 メールと、文書をどうもありがとうございました。読ませていただき、それからゆっくり、考えました。
結論から言うと、先生のおっしゃる通りだと思いました。

 くどくなりますが、なぜ、専門医が良いと思ったかをもう一度考えました。それは、「わかりやすくて、かっこよくて、(ある意味)簡単だから」。まさに、「専門外のことはわかりません」といえるから、でした。一般内科として診療していて、困ったとき結局頼らざるを得ないのが専門医であり、患者さんもそれ(専門各科にかかること)を望んでいるんじゃないのかと思ったのです。

 でも、それは患者さんのために、と思ったわけではありません。結局、専門医のほうが、いいことをした気分になれて、その臓器だけみてればよくて、それで文句も言われなくて、・・・・と、思ったからです。自分が楽になるからです。

 それから、もう一つ思ったことはどんなに「全身を診る!」といっても、結局西洋医学をやる以上、全身を有機体としてみるのではなく、各臓器をまとめて診るという形になるのではないのかな、ということです。西洋医学は科学を基本にする以上、対象を細分化して、原因をつきとめて、それに対処することを究極の目的とすると思います。だから、今のような体系ができたのでしょうが、私はその点が好きではありません。全身をまとめて診るのではなく、全身の各臓器を眺めて、どこが悪いのかを見極め、専門の各科に振り分けるのが一般医の仕事であるならば、そんなのはごめんだ、と思ったのです。

 今年の夏に北里大で開かれた東洋医学のセミナーで、少し東洋医学に触れ、その思いが強くなりました。東洋医学は全身を全身として見ている気がします。体に現れた現象を現象として受け止めている気がします。でも、私は今まで西洋医学を勉強してきて、やっぱりこの知識を生かさなければならないし、その中で生きていくならば、専門医のほうがいい、と。そして、一通り勉強して落ち着いたら、東洋医学を勉強したいという気持ちがありました。

 ぐだぐだと書きましたが、こんなことを考えて、就職先を探し始め、大阪の国立循環器病センターに行き、すごくいい雰囲気だったので、その勢いでここに行こう!と思ったのでした。

>一番最初にプライマリーケアをやれる医者になろうと考えていたところから、余り外れない道を選ばれることを期待します。

 ここ2~3日、先生のおっしゃったことを考えてみました。どうしてプライマリーケアがやりたいと思ったのか、どうして今専門に興味が出たのか、自分に何ができるのか、自分は何をやりたいのか、将来どうしたいのか。専門医の勉強をして、一般に戻る、と前回のメールに書きました。本当にそのつもりがあるのかと考えると、やはり専門医の道を選んだら、そのまま歩み続けることになるなと思いました。本当にその臓器しかわからない専門医もたくさんいるでしょう。それから専門各科の狭間で困ってしまう患者さんがいることも事実です。一般内科の医者は確かに必要だと思います。そこに、プライマリケア医としての専門性はあると思います。

 自分が何をしたいのかは、よくわかりませんでした。どちらに行っても、やることはあって、それなりに充実した日々を送れるだろうと思いました。でも、せっかく最初にプラマリケアをやりたいと思ったのだから、その道を選ぶほうが理にかなっていると思いました。そして、それをもう少しきちんと勉強して、もしそれで、何か別のことがしたいと思ったら、そのときに考えようと思います。

 本当に長々と、わかりにくい文章になってしまいました。多分、お聞き苦しいことも書いてしまったと思います。でも、今考えていることは、少し大きな病院の総合内科などで、全身を診る勉強をしたいと思っています。先生には貴重なアドバイスを、本当にありがとうございました。

 また、何かあったらご相談させていただいてもよろしいでしょうか。多分年内には行き先が決まると思いますが、それまでもう少し、病院見学などをやっていこうと思います。



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