自分にあわない今担当の医師を代えるには、どうすれば良いか

今の担当医に不満がある時に、病院の中で他の医師に交代することを、患者さんは大変難しく感じているかもしれません。
1995年、世界医師会はリスボン宣言で、11の原則をあげています。その2番目に「選択の権利」として、次のように書いています。
「私的か公的かを問わず、患者は自由に医師および病院や保健サービス機関を選ぶ権利を持っている。」

日本では医療機関の選択はともかくとして、医師の選択はこの通りの自由にはいかないのが現状です。しかし、とりあえず、今の担当医に不満があり他の医師に代えたいのであれば、私は受診する曜日を変えることをおすすめします。それが最も抵抗の少ない自然な方法です。
病院の医師の勤務体制は曜日によって決まっています。外来担当表をよく見て、今の担当医に「新しく習い事を始めて(あるいは、○○会の集まりの曜日が変わり)、火曜日が忙しくなったため火曜日の外来には来られなくなった。木曜日が比較的時間が取り易いので木曜日の外来に代えてほしい。」と伝えるとよいでしょう。
特に、相手が年配の医師であれば、敬意を表して、先ずはこのような方法で代えることをお奨めします。年配の人は診療スタイルを中々変えることはできません。

しかし、将来のある若い医師が相手なら、むしろ不満を直接その医師に言ってくださることを、私は期待します。
「私は、外来で(例:夜中にみぞおちがしめつけられるように痛くなることがあり、心臓が悪いのではと心配だといっても、私の症状をろくに聞いてくれず、心電図さえもとってもらえなかった)のためあなたの診察に不満です。それを改めてほしい。もし、それができないのなら、他の医師の外来に移りたい。紹介して欲しい。」
というのです。( )の中はできるだけ具体的な内容で伝えるのがよいでしょう。

その時に、どうかけんか腰にではなく、冷静に言って下さい。どうしても面と向かって言うのは気まずいのなら、手紙に書いて渡すのでもよいでしょう。それでもなお、医師がその不満に対応せず、改めようともしないなら、他の医師に代えればよいのです。私は、このように患者さんから苦情や苦言を伝えることによって医師も教育され、次第に日本の医療全体が変わっていくのだと期待します。

もちろん、余りに高い理想を医療者は押し付けられても困ります。現実に、一日に60人以上もの患者さんを診ている外来であれば、一人ひとりに十分な時間をとり、全ての患者さんに満足してもらうことは至難の業です。日本の医療保険制度の下、劣悪な労働条件で働く医師の立場も理解した上で、言うべきことや苦言を伝えてください。

公立、私立を問わず多くの病院で、勤務医は大勢の患者さんを診ていたり、仕事に長い時間をかけていても、昇給や昇進など医師の評価に通常反映されていません。もし、病院の上層部にあがる苦情ばかりが、負の評価の対象となれば、一生懸命に多数の患者さんをこなす医師が不利になります。
余りやる気もなく、周りの目も気にしなくなった勤務医は、患者さんを少なくして自分の時間をとり、苦情も少なくなり得をするのです。
医師を代える方法を伝えると、新たな心配の種になります。今後悪い医師から患者さんが減って楽になり、よい医師はますます忙しくなって消耗してしまうかもしれません。

しかし、今病院の評価法が見直されており、近い将来には、各病院での医師の評価方法も見直されることになると思います。患者満足度を医師の評価基準のひとつとして取り入れようとする病院もでてきています。

「患者の生き方」より

患者の生き方―よりよい医療と人生の「患者学」のすすめ

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この記事へのコメント

2005年05月14日 12:38
そうだよな。XX院長とならともかく。一番したのペー(失礼)は、間に挟まるとなんにもできなくなる。自分にはできないことってあきらめてしまうんですよね。経営者からの言い分とお客さんからの言い分を考えるとどうして上を見てしまったりする。どこかが変わらなきゃいけないんでしょうね。なんじゃろ?
にのちか
2005年05月14日 17:35
そうですね、ひどい目にあったという話を聞くたびに、直接でなくてもいいから手紙でも抗議をすべきだといつもすすめています 「文句をいう」というのはきちんと冷静にはなかなか難しいのかもしれませんが、効果があると思います
GALANT's Cafe
2005年05月14日 21:37
近年は、「何でもクレームにすればいい。」そんな風潮が蔓延してきたように思います。
患者も人。医師も人。
いい関係を築くための手紙であって欲しいですね。
2005年05月14日 22:33
CXQさん。 どこかでなくてとりあえず自分のできることからと言うのが良いのではないでしょうか。

にのちかさん。 文句をいうのにも、冷静にというのは難しいことです。大事な判断をすることを見失ってしまいますから。
2005年05月14日 22:36
GALANT's さん。 相手を変えられるようにクレームをするということは難しいことかもしれません。しかし、そのような練習も必要なのでしょうね。
邦之
2005年05月15日 00:57
アサーティブネス・トレーニングというのがありまして、ドメスチックバイオレンスなんかでトラウマがある不定愁訴系の患者さんなんかにけっこう評判がよろしい。簡単にいうと、相手の言ってることを3通りに分類するわけ。1.相手がこちらを誤解してものを言っている。2.こっちの誤りを正当に指摘している。3.ただ見下したいだけで言っている。の3通りです。こんな感じで3択、4択から一つづつ選択していくと、自分はどうやって言いたいことを伝えるべきか、何を聞き入れるべきか、がけっこう明確に解ってくる。
私なんぞ、結構アホな人生ですからね、言いたいことは言わせていただきありがたいので、このトレーニング、たまにしかお役に立ちません。
しかしこの手法を使ってそういうトラウマのある患者さんをカウンセリングしますと、実に効果的であることが解ります。
2005年05月15日 00:57
そこで今、気が付いたんですが、このトレーニング、実は、医者という職種の人々の中で、あるパーセンテージには必要なんではないでしょうか?つまりね、そのパーセンテージにはかなりの「ものの言い方を失った症候群」が蔓延しているのではないかと想うんです。それの原因が、「記憶するだけ学習」と「服従しなければやっていけない関係」による一種の潜在的トラウマではないかと。
何も言いたいことを言いたい!のにウマク言えない(T_T)のは患者だけじゃない。医者にだって潜在的な「ものの言い方を失った症候群」がいる。と、まあ、そんなことを考えました。
昼行灯
2005年05月15日 06:28
 おはようございます。 
 私事なのですが、精神障害の妹の診察に時折付き添いますが、カウンセリングの精神科医はとても聴き上手いらっしゃるのには、このように聴いてやれば妹も安心するんだ…といつも勉強になります。
 確かに決められた診察時間内に多くの患者さんを診られる先生がたの中には、話したり聴いたりされるのが上手な方とそうでないかたといらっしゃいますが、妹などは自分に合っている担当医は感覚的に捉える所があって、医師の移動があった時家族共々緊張しますが、今の所どの医師も聞き上手でいらっしゃるので、とても救われています。
2005年05月15日 14:51
邦之さん。記憶するだけの学習。服従しなければやっていけない関係。というのは、確かに今までの教育がそうであったと思います。

今、看護医療学部に外から講義に来てもらった時に、授業の終わり前に質問をするように促すのですが、中々自主的に質問ができない。教師に遠慮していたり、周りの学生に遠慮していたりがあるのでしょうが、残念なことです。
2005年05月15日 14:56
ところが、レポートを書かせると、驚くほどしっかりしたことを書いてくるのです。つまり、日本ではまだまだ言葉に出して質問することが定着していないのです。これからも、どんどん質問ができるような雰囲気を教室内に作っていきたいと思っています。

それは、患者さんもそうなのでしょうね。中々質問しにくいのだろうと思います。
2005年05月15日 15:01
昼行灯さん。世の中にはそのようなよい見本になる医師もいっぱいいるのだと思います。ところが、何度か悪い医師にであうと、医療不信となりそのトラウマ(心の傷)からの回復も難しいようです。

自分にあったよい医師を見つけることは、そのような医師を増やすことと同程度に大切なことと思います。
ba-ba
2005年05月16日 12:32
病気と向き合える時間がある患者と選択肢がない患者がありますよね。
選択肢がなかった患者はどうすればよかったのでしょうか。亡母の「私はまな板の鯉」。
転院を考えましたが、受け入れてくれる病状ではなかった。(医師に最悪の病状にされた)

ずっと後になり「医事課」の部署を知り、病院内で患者側が周知できればと思いました。
2005年05月16日 18:28
もう、選択肢のない場合もあることと思います。それでも、身近な医療者の中に味方を見つけることが大事だと思います。
juju
2005年05月17日 01:32
栄養士の立場からでも「この患者にこの医師はあっていないのでは?」と感ずる時があります。栄養指導時に患者が主治医の不満を訴えられることがありますが、患者の誤解というものもあります。医師に何も言えないと言う患者に「あの先生はとっつきにくいように見えるけれど、ああ見えても面倒見いいのよ」とアドバイスをしました。すると翌月から患者は少しずつ主治医に親しみを感ずるようになり、治療に対して積極的になられた例もあります。しかし不満を口に出さずに不安感を抱えている場合は困りました。胆石合併の糖尿病患者であきらかにインスリン移行時期にきていたのですが、私も若かったので、糖尿病専門医でないA医師にどう言っていくのがよいのかずいぶん悩みました。そうこうしているうちにA医師は総合病院の院長として移られ、その患者は診療科を越え、内分泌科に紹介にされ、即インスリン治療に入りました。もう10年位経つでしょうか、合併症もなく通院されています。当時の背景のことです、今はA医師の判断に敬意を表しています。医療者同士の繋がりが良ければ、患者の不安・不満が少しでも解消するのではないでしょうか。
2005年05月18日 07:41
A医師はもう少し前に紹介すべきだったのでしょうね。しかし、私もインスリン導入は遅い傾向があります。インスリンて始めると大変ですからね。
Lune
2005年05月18日 19:13
先生のblogとても共感しながら読ませていただいています。夫がMD私がPDと夫婦2人若年性の慢性疾患で通院していますが担当医との信頼関係の築き方というのはとても難しいと痛感する毎日です。幸い私は恵まれましたが夫は透析を目前に控え自覚症状の辛い時期にありますが、担当の先生の叱りつけるような人格を傷つけるような指導にどれだけ傷つき病院を変えてきたかわからず、先生のblogに出会いこういう考えをお持ちの先生がいらっしゃるというだけでどれだけ、自分が間違っていなかったと救われる思いでおります。今も難しい状況ですが腎臓科の先生とやっと信頼関係を築いたものの糖尿の先生とはなかなか相性があわないのですが、その病院では一番偉い教授の先生なので不満等いえる雰囲気ではありません。本当にどうしたらよいものか。安心して通院できる環境を整えることから病気との対峙が始まるように思います。
2005年05月19日 01:07
Luneさん。是非一度患者の生き方をお読みください。MDとPDがよくわからないのですが。
相性のあう医師を見つけることが大事でしょうね。
Lune
2005年05月19日 19:16
お返事ありがとうございます。夫のMDはDMの入力違いですね。お恥ずかしい限りです。夫は糖尿性腎不全、私は若年性パーキンソン患者です。(PD= parkinson's disease)私は信頼できる先生との時間が何よりの安定薬なのですが、夫はなかなか難しいです。ぜひ著作拝読したいと思っております。
2005年05月20日 06:35
Luneさん。 医学博士と(理学)博士を、MDとPhDと略して書くので、博士一家なのかと、解釈していました。

本当は糖尿病こそ相性があう医師が必要な病気なんだろうと思います。
糖尿病エンパワーメントという本があります。医療者向けですが、面白く一般の人も読めると思います。
megu
2005年05月25日 13:33
しんぞう先生、介護施設でちょっと風邪をこじらせて近所の病院に入院した方が、この前戻ってこられました。ところがずっと病院で寝たきりだったせいで、もう自力歩行できない状態なのです。「あそこは、放っとかれるから。」と他のヘルパーさんもいうのですが、私たちだけで、病院を変えられないのです。家族の希望が優先するようです。こんな時どうすればいい?って本当に思います。
megu
2005年05月27日 17:06
利用者さんと、そのご家族の事情ですね。
このことは。しんぞう先生には、場違いなコメントでした。ごめんなさい。困らせちゃったように思います。
Charlesses
2017年09月24日 17:33
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Merissa
2018年01月02日 05:46
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